BLOGブログ

歯肉圧排

ブラックマージンの発生を防ぐためには、補綴物の適合性を高めることが重要です
言い換えると、かぶせ物と歯との接合面がピッタリすることがとても大事ということ

ピッタリさせるためには印象(型取り)の精度が大きなポイントとなりますが
通常、保険診療での金属鋳造冠やレジン前装冠では、審美性を求めないので
補綴物のマージン(かぶせ物と歯との接合面)を歯肉溝内に設定することはしません

へたに歯肉溝内にマージン設定すると、材質自体の生体親和性が低いので
歯肉が下がってしまう危険があります
よって歯茎のラインとマージンラインが同じ位置にくるようにするので
容易に精度の高い印象がとれます

しかしセラミックを使った審美修復の場合、セラミックの生体親和性が高いという利点を
最大限に生かすためにマージンを歯肉溝内に設定します

すると印象は難易度が高くなるので「シリコン印象材」と「歯肉圧排」が必要となります
「シリコン印象」については以前ブログで触れたので割愛します
「歯肉圧排」とは歯肉と歯根の間に印象材が適切に流れるように歯周ポケット内に
糸を挿入し、マージンをはっきりさせ、正確に印象するために行います

クラウンやブリッジの審美修復においては、絶対に必要不可欠な作業なんですね。

 

 

歯肉圧排をした支台歯

歯肉溝に圧排糸を入れ歯肉圧排したところ