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合同研修会

先日、宮地建夫先生のセミナーに参加してきました。宮地先生は歯科医師歴48年「宮地の咬合三角」という理論を打ち出された著名な先生です。
「宮地の咬合三角」とは、失われた歯を補う治療をするときに、その難易度を読み取るための分類方法です。上下の歯が1歯対1歯で咬み合うと仮定して縦軸が咬み合う歯の数、横軸が口腔内に残っている歯の数を示します、座標位置を4つのエリアに分類し、その症例の難易度を判定します。

 

合同研修会

 

緑のエリアは咬合欠損エリア、この段階ではまだ大きな問題は起きません、処置の難易度も高くはありません。
黄色のエリアは咬合欠陥エリア、このエリアにいる患者さんは坂道を転げ落ちるように咬合崩壊へと突き進みます、しかし患者さんは大きな危機感を抱いていません。
赤のエリアは咬合崩壊エリア、この段階まで来ると完全に咬合は崩壊し満足に食事をとることもできません、患者さんの不満はピークに達します。
青のエリアは咬合喪失エリア、このエリアではほとんど歯がないので自分の歯で食べ物を咀嚼する感覚は無くなります。

 

 

 

 

このグラフは岐阜大学医学部が行ったアンケート調査です、歯の本数の減少に比例して患者満足度が低下していくのかと思いきや、なぜか残存歯数が8本以下になると満足度が上がっていきます、宮地の咬合三角でいうところの咬合喪失エリアに入ると患者さんの満足度が高まるということです、これは咀嚼することをあきらめてしまったのか、悟りの境地に達してしまったのかわかりませんが、案外入れ歯治療を成功させる秘訣はこんなところにあるのかもしれません。しかし歯科医師である以上咬合欠陥エリアにいる患者さんを咬合崩壊エリアに踏み込ませないよう努力することが最も重要であると考えます。