上下に歯牙移植

40代男性、移植歯どうしで咬合させることになった症例です。上顎6番は保存可能なので根管治療を行い7番は上下とも保存不能なので抜歯を行い、その後ろにある8番を移植する計画を立てました。

上顎7番のメタルコアを外すと完全に穴が空いています。

7番8番を抜歯します。( 出血しているので写真は白黒にしています)

抜歯し歯冠を落とした8番

縫合して固定します。

1週間後の抜糸時

2ヶ月後の根管充填時

上顎7番は術後4ヶ月経過、下顎7番は術後2ヶ月経過のパノラマエックス線写真です。当院では垂直加圧充填で根管充填するので、根管充填材が根尖孔外に出ていますが特に問題はありません。 下顎の近心にもう少し骨ができれば良かったのですが、とりあえず動揺もなく経過しています。

上顎印象時

下顎印象時

患者さんに歯牙移植の提案をするとほとんどの患者さんが「え、そんなことできるんですか?」と言われます。難しそうな処置に思えるかもしれませんが、実際には抜歯と根管治療ができる歯科医師なら誰でもできる簡単な歯科治療です。ただ100%成功するとは限りませんので、患者さんには「上手くいったらラッキーぐらいに考えてくださいね」と説明しています。インプラントやブリッジや入れ歯という選択肢の前に1度考える価値のある治療法だと思います。