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埋伏歯の移植

萌出している智歯(親知らず)を保存不能な歯の抜歯窩に移植するというのは、以前このブログで紹介しましたが、今回は埋伏している歯を移植するというケースを紹介します。
患者さんには成功確率が低くなることを十分説明、納得していただいた上で処置を行います

 

 

移植前写真

第2大臼歯が歯根破折を起こしかぶせ物が脱離、破折部周辺は骨吸収を起こし骨透過像が見られる

 

 

移植後写真

後方に埋伏していた智歯(親知らずを)同時に抜歯し第2大臼歯部に移植を行う

 

 

移植後口腔写真

移植から一か月、完全に生着したので根管治療開始、その後補綴処置へ

 

 

今回は運良く移植した智歯が生着してくれました、患者さんは現在硬い物でも何の問題もなく噛めるとのことです、ではもし上手くいかなかったらどうなっていたのか??
骨が再生せず、いつまでもグラグラが続き、噛んでも力が入らない状態になります
この場合は残念ながら、あきらめていただいて抜歯となります。

このようなリスクを考えても、少しでも可能性があるのであれば「歯の移植」には駄目で元々という気持ちでトライするだけの価値はあると思います、やはり自分の歯で噛めるのが1番ですからね。ちなみに「歯の移植」は現在保険適応となっていますので、数千円の治療費で行うことができます。

 

 

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