BLOGブログ

メタルフリー(金属を使わない)治療

写真は北里大学病院皮膚科にて金属アレルギーの診断を受けた患者さんで、口腔内の歯科用金属の除去とそれに代わる材料での再補綴を希望され、青木セラミックの青木社長から当院をご紹介していただき来院された患者さんです
ニッケル、白金、マンガン、亜鉛、パラジウムでアレルギー陽性反応が出ているそうです
そこで口腔内の金属を外し非金属材料(今回はすべてセラミックである「e-max」を用いました)に置き換えるメタルフリー治療を患者さんと相談のうえ行うこととなりました。

 

 

メタルフリー3

上顎(画像クリックで拡大します)

 

 

メタルフリー4

下顎

 

 

この患者さんは初診時に左側顎関節痛を訴えていたので、再補綴する過程で顎関節への負担を軽減をするために左側の咬合高径(咬み合せの高さ)を若干上げています

また前歯部隣接面のコンポジットレジン充填が不適合のため形態修正と研磨を行い
さらに前歯部にフレアーアウト(歯が前方に移動し歯と歯の間に隙間ができる)が見られるので、下顎の前方運動時の干渉を除去する咬合調整を行います
するとフレアーアウトしていた前歯部は口唇圧の力で自然に整直し正中の空隙がなくなりました。これは歯が本来位置するべき場所に戻ったのではないかと考えられます。

 

 

メタルフリー2

正面観

 

 

今回は主訴が金属アレルギーでしたが、補綴物を交換する過程において同時に咬合治療を行うことによって患者固有の最適な機能と審美の両方を得られたのではないかと考えます。金属アレルギーや顎関節の問題は非常にセンシティブでこれが絶対といった正解はありません、できる限り口腔内の状態を細かく観察しながら慎重に治療を進めていくよう心がけています。

 

 

 

 

 

 

 

 

治療終了後ビールとジュースの贈り物をいただきました、ありがとうございます!

治療終了後ビールとジュースの贈り物をいただきました、ありがとうございます!