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インプラント周囲粘膜炎

前々回インプラント周囲炎のお話をしたので、それに関連して今回はインプラント周囲粘膜炎についてです

インプラント周囲粘膜炎とはインプラントの周囲歯周組織の可逆性炎症で、骨の吸収がまだ起きていない状態を指します。この段階で適切な処置を行えばインプラント周囲炎への移行は防ぐことができます

下の写真は他院にて治療したインプラントに歯肉の腫脹と違和感が出現、歯肉も徐々に退縮してきたということなので、当院にてインプラント本体に影響が出る前にかぶせものを外しました。

 

補綴物を外してみると。。

補綴物を外してみると。。


 

補綴物を外してみると余剰セメントの取り残しと歯石の形成が見られます
他の問題点としてアバットメントとの接合面の不適合、エマージェンスプロファイル(歯肉貫通部分の形態)の不適正、補綴物の素材の選択が適切でないことなどが考えられます

そこでアバットメントの形態修正および補綴物の再製作を行い、慎重に経過観察していくことにしました

 

完成補綴物

アバットメントの形態を修正しジルコニアコーピングのセラミッククラウンを作製


 

 

仮にインプラント本体が正しい位置に正確に埋入されたとしても、最終補綴物の設計及び製作が適切でないと周囲粘膜炎を引き起こし良好な治療成果を得ることはできません
インプラント治療を長期的に成功させるためには補綴操作がとても重要だと考えられます。